2019-01-01から1年間の記事一覧

(──絶え間なく泡が螺旋状に上昇し続けている川を取り巻くようにして存在する大都市「壺」。 さて、この都市のはずれに貴方が生まれた。文化を持つ貴方がこの世界に関わったのだから当然のことである。いま、私が貴方の文化に触れて感化されたのと同様に、貴…

ドットの鳥.pmf

正方形から飛び出す二本の線、僅か14dotの構成、3枚の絵の繰り返しで表現される動き、右からフレームイン、左へフレームアウト、次はその逆、動作の繰り返し。 昔、熱中していたビデオゲームに繰り返し出てきた鳥型の敵キャラクターだ。幼い私はこの鳥をひど…

存在の問いの必然性 →存在は、最も自明であり、最も普遍的な概念であると思われること、また定義されえないことから、暗がりにあるものであり、それが存在の問いが再度行われる原理的な必然性を示す。 存在の問いの(形式的)構造 →問う事は求めることであり、…

パイプの巣

──バスに半日揺られた末に、この地を踏んだ。山に囲まれており、かつ道が舗装されてない為なのか、8月であるのにも関わらず比較的涼しげだった。 曲がりくねった畦道を歩いていくと、幾つもの破家(あばらや)を見かけた。木製のサッシに嵌った擦り硝子を通し…

二〇一九年三月十四日に見た夢

大きいが閑散な洋服屋にてカップル同士が喧嘩している。私は彼らを知っていて、彼らの喧嘩が落ち着いたらお金をせびる事ができると思った。 ちょうど声が聞こえなくなった為、彼らに近づき、女の方に、「喉が渇いた。コーラを買いたい」と話した。女はしぶし…

『薬膳料理』の魅力.pmf

やはり私は『薬膳料理』が好きだ。もっとも膳には既に料理という意味が含まれているために辞書的には正しくはない言葉ではあるが、私が好きな類の料理においては薬膳でなく、『薬膳料理』と呼ぶ方が正しい。 そもそも本来の薬膳とは漢方薬の材料を使った中国…

変チン(途中)

ある朝、凍える寒さによってなにか胸騒ぎのする夢から醒めると、ベットのなかの自分が一つのばかでかい陰嚢に変わってしまっているのに気が付いた。――といっても起きてすぐに陰嚢と分かった訳ではない。まず薄膜に包まれたような思考の中で、皮膚表面の感覚…